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学生が作品を販売するときの契約 — 確認しておきたい六つの項目

在学中にはじめて作品を委託するとき、契約書を前にして「どこを見ればいいのか分からない」と感じる方は少なくありません。専門用語が並んでいると、内容を確かめないまま署名してしまいがちです。

契約書は、相手を縛るための書類である以前に、あとから食い違いが起きたときに自分を守るための書類です。ここでは、在学中の作家が最低限おさえておきたい項目を、順に挙げていきます。

1. 委託の期間と、やめ方

まず確認したいのは、いつまで預けることになるのか、そして途中でやめられるのかという点です。

  • 委託の期間は何ヶ月・何年か
  • 期間が過ぎたとき、自動で更新されるのか、更新には合意が必要なのか
  • 途中で終了したい場合、何日前に伝えればよいか
  • 終了したとき、作品はどのように、誰の費用で戻ってくるのか

「やめ方」が書かれていない契約は避けたほうが無難です。卒業や就職、公募展への出品など、在学中は状況が変わりやすいためです。

2. 作品の保管と、破損・紛失したときの扱い

作品を相手に預ける場合、保管中の事故について誰がどこまで責任を負うのかを確かめておきます。

  • 保管場所と保管方法
  • 破損・汚損・紛失が起きたときの補償の有無と、その金額の決め方
  • 保険をかけるのか、かけるとしたら誰が費用を負担するのか

補償額が「販売価格」なのか「作家の取り分に相当する額」なのかで、実際に受け取れる金額は変わります。作品を作家の手元で保管する形であれば、この論点自体が小さくなります。

3. 価格の決め方と、値下げの判断

希望価格を出すのは自分か相手か。最終的な販売価格を決める前に、自分の合意を取る手順があるか。

そして、値下げやセールを相手の判断だけで実施できる契約になっていないか。この一点は、後から作品の評価に影響します。

4. 売れたあと、いつ支払われるか

支払いの時期は契約ごとに幅があります。「購入者の受取確認後1週間以内」と「月末締めの翌々月払い」では、同じ金額でも意味が違います。

あわせて、振込手数料をどちらが負担するのかも確認しておくとよいでしょう。

5. 作品画像の使われ方

委託のために撮影した作品画像を、相手が広告やSNSでどこまで使えるのか。使用できる期間は委託の終了後も続くのか。グッズや印刷物になる場合、別途の合意が必要か。

「宣伝のために使用する」という一文だけで範囲も期間も書かれていない場合は、その場で確認しておいたほうが確実です。作品が売れて所有者が変わっても、著作権が自動的に相手のものになるわけではありません。

6. 他のギャラリーにも出せるかどうか

独占的な契約になっていると、同じ時期に公募展へ出品したり、別の場所で展示したりできなくなる場合があります。在学中は発表の機会が重なりやすいため、ここは事前に確かめておきたい項目です。

収入が増えてきたときの、税金の扱い

作品が継続的に売れるようになると、確定申告が必要になる場合があります。

たとえばアルバイトなどの給与を1か所から受けていて、その給与以外の所得の合計額が20万円を超える場合には、確定申告が必要になるとされています。詳しい条件は国税庁の解説をご確認ください。

参考:No.1900 給与所得者で確定申告が必要な人|国税庁

判断はご自身の状況によって変わりますので、金額が大きくなってきたら、早めに税務署や専門家に相談されることをおすすめします。画材費や輸送費などの記録を残しておくと、そのときに困りません。

分からないことは、契約前に聞いてよいものです

契約書の内容について質問することは、相手を疑うことではありません。むしろ、質問に丁寧に答えられるかどうかで、相手の姿勢が分かります。

YOHAKU アトリエでは、料金、保管方法、破損時の対応、契約期間を明記した委託契約書を交わしています。締結の前にインタビューの時間を設けており、その場で条件を一緒に確認していただけます。いきなり契約や出品をお願いすることはありません。

流れと条件の詳細は作家募集のページをご覧ください。手数料そのものの見方については、委託販売の手数料をどう見るかにまとめています。

おわりに

はじめての契約は、誰にとっても分からないことだらけです。ただ、ここに挙げた六つの項目に目を通しておくだけで、後から起こる食い違いの多くは防げます。

書面に残すことは、相手との関係を硬くするためではなく、安心して制作に戻るための手続きだと考えています。